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Nobuyoshi Hasegawa

  • もともと写真は嫌いでした。
  • 原因は子供時代にあります。父が家族旅行で半ば強制的に家族を並ばせ、なかなか撮影を行いませんでした。
  • そして必ずと言っていいほど「右に行け、前に来い」など注文がうるさく、出来上がった写真はお世辞にも見栄えがいいものではありませんでした。
  • 自身の嫌な経験が、写真は全然面白くないものだと、写真そのものを遠ざけていたのです。
  • 就職し落ち着いた頃、BS放送設置をしていたある日、テレビで山岳写真家の白川義員さんが南極大陸を撮影している記録映像が流れ始めました。
  • 最初は「ペンギンって可愛いなぁ」程度でしか見ていませんでした。さまざまな大陸撮影を手掛けられた過去の写真映像が流れるたび、どんどん魂が揺り動かされる自分がいました。
  • 「まさかこの世の中にこんな写真(映像)が存在するなんて」。
  • いつしか白川さんの話を真剣に聴き、食い入るように観ていました。命をかけて写真を撮る世界観は、子供のころに経験した”写真は面白くないもの”という価値観を完全に覆したのです。
  • これまで化学に興味がありその関係の会社に入ったものの、何かしら”ぼーっと”流れに任して生きていた自分。この映像は、初めてハッキリと「これやりたい!」と自分へのメッセージであることを確信させてくれたのです。
  • この日から「自分もこんな写真撮りたい!」へと変化し、使えもしない中判カメラをモノマネ的に購入し、独学で写真の勉強を始めました。
  • また、行ったこともない雪山に入って写真家気取りで一生懸命やってみましたが、経験、知識、コンセプトなんて全然ない自分。白川さんの足元に及ぶはずもありません。
  • 一歩でも近づきたい想いは、色々なプロ写真家の作品を書籍で観ることに専念させました。この写真家はこんな作風だとか、この人の写真って面白いって、いろんな写真の世界に触れ、自分自身の心の世界が広がっていったのです。
  • ”もっと知りたい”の欲求が強く働きましたが、当時は本や雑誌位の情報しか無く、気になった写真作家さんの写真集を買っては観る日々が続きました。そして、自分なりにどう撮れば良いのか独学に頼る日を過ごしました。
  • 18歳から学んだ学問は化学(科学)関係でしたので、突き詰めることが好きな性格でした。ただ写真の面白さを知ってからすでに成人。”時既に遅し!?”かと思いきや「やっぱり基本からはじめたい。学問したい」気持ちが日々大きくなっていきました。
  • 願えば叶うではないですが、タイミング良く2000年から大阪芸術大学で通信教育が始まり、その門徒を叩くことにしました。
  • 学びたい社会人はとても多く、当時の入学者は写真学科だけで100人はいました。
  • 最初、通信学生はみな、意気揚々で交流会など多く開いて盛り上がっていましたが、年数が過ぎるなか1人去りまた1人去りとどんどん生徒数が少なくなっていきました。
  • 通信教育はほとんど通学しなくてもいいのですが、単位取得のためにレポート課題が山ほど与えられます。この大きな壁が継続できない大きな理由です。
  • 当時はインターネットが普及しておらず、休みの日に図書館で調べたり本買って読みあさったりの日々でした。そのため写真の興味は単位取得という苦行に悩まされたのです。
  • なんとか踏ん張って卒業制作までこぎつけましたが、2005年当時の2期卒業予定者が自分を含め”5名”でした。
  • 在学期間に最も学べた収穫は ”ポートフォリオを作り上げること” でした。
  • 写真作家は写真展や写真集を絶え間ない努力で展示・発表されています。これらは様々な単写真が重なった集大成で、その中に明確なコンセプトが注ぎ込まれています。
  • 写真コンテストは単写真で競い合う事が多く、それは写真1枚での真剣勝負です。SNSでは複数枚掲載はできますが、やはり単写真の発表の場という感じが否めません。
  • 静止映像の力は複数枚になってはじめて光るものなのだということを学び、自分の写真家への道を大きく成長させてくれたと感じます。
  • 白川義員さんの映像にはまり、風景写真家を目指しましたが、土地柄のこともあり数多く撮影する機会を得ることができませんでした。
  • 以前から多くの写真家の作風に触れていたこともあり、スナップ写真の面白さに気づき始めた頃でもありました。スナップなら街に出ていろんなものが撮れる、そう思ったからです。
  • 通信教育でもある先生から「長谷川さんの観る眼は面白い」と褒められたこともあり、街にあふれる面白い写真を撮り続けることは自分にとっても合っていると感じます。
  • 一方、ある人から「優しい写真」だと言われたことがあります。気づかない自分の作風に、観てくれる人は心を教えてくれます。
  • 面白くて優しい。そんな写真作家を目指したいと思います。
  • 近い将来、自分の作品を世界の人々に知らしめて感動を与えるプロになる。そんな野望を持っています。
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